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2023/09/29

2025年実施省エネ基準適合義務化とは?住宅や建築物の基礎知識や断熱性能についても

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2022年に建築物の「省エネ法」が改正され、2025年以降原則すべての建築物に省エネ基準適合が義務付けられます。今回は、省エネ法や住宅の省エネルギー住宅のメリットやデメリットなどをわかりやすく解説します。


2025年実施省エネ基準適合義務化とは

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2025年実施省エネ基準適合義務化とはどのようなものなのでしょうか。難しいと感じる方も多いと思います。でも正しい内容を知ることで安心できるはずです。ここからは、省エネ基準適合義務化について紹介していきます。


省エネ基準適合義務化とは、20254月以降に着工するすべての建築物は「省エネ基準」を適合することが義務付けられるということ。2022年に発表された、脱炭素社会の実現に資する等のための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律」によるものです。建築基準法も併せて改正され、建築確認、検査対象の見直し等も行われました。建築主、設計者の行う建築確認申請の手続きも変更されることになります。

カーボンニュートラルについて

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素、メタン、一酸化炭素、フロンガスである「温室効果ガス」の排出量と吸収量を等しくさせること。メディアなどでも最近耳にする人が多いのではないでしょうか。

 

日本政府は、2050年までに脱炭素社会を実現し、温室効果ガスの排出をゼロにするという宣言をしました。この取り組みを受けて、新築住宅の「省エネ」を義務化されることになったのです。

 

経済産業省「資源エネルギー庁」のホームページによると、日本の家庭のエネルギー消費の約30%を占めているのが冷暖房とのことです。この冷暖房のエネルギー消費を抑えることが、省エネ住宅の要となっています。夏は外気の熱が屋内に侵入しないこと、冬は屋内の温かい空気を外に逃がさないことが重要であり、そのために、「断熱」「日射遮蔽」「気密」を省エネルギー住宅の柱としています。省エネルギー住宅は、エネルギー消費を抑えるだけではなく、快適な住宅であるといえるのです。



断熱

断熱とは、壁、床、屋根、窓など住宅の熱の移動を少なくすること。冬は暖房をしていると部屋の暖かい空気が外に移動し、夏は冷房をしていると、外気の熱が屋内に移動します。断熱性能をよくすることで、空気の移動をなるべく減らすことで、少ないエネルギーで冷暖房を行うことができます。

日射遮蔽 外部からの日射熱は、夏に室内の温度を上げる大きな要因。日光を遮蔽することで、冷房に必要なエネルギーを削減できます。
気密 住宅の隙間を通じて空気が出入りするため、熱が室内と外で移動しやすくなります。空気の移動による熱の移動を少なくするために隙間を減らすのが気密対策。必要な換気量を確保しつつ、過剰な空気の移動を減らすことが大切です。

省エネルギー性能の評価基準


住宅の省エネルギー性能を評価する基準があります。断熱等性能等級4以上かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅が省エネ住宅です。

 

断熱等性能とは、外壁、窓などの断熱性能や日射遮蔽をする対策に対して評価するもの。水準以下の評価は、省エネ住宅にはなりません。

 

一次エネルギー消費量とは、住宅で使用する電気、灯油、都市ガスなどを石油、石炭、天然ガスなどの一次エネルギーに換算してどのくらい消費したかを表します。等級は、数が多ければ多いほど性能が高いということになり、断熱対策についても非常に細かい基準が設けられています。

(国土交通省ホームページより)



断熱性能の基準



住宅の断熱性能は、「外皮平均熱貫流率」(A)で示されます。住宅の外皮(床、壁、窓など外気と接している各部位)から逃げる熱損失を合計し、外皮面積で割って求めます。数値が小さいほど省エネ性能がすぐれているのです。

 

日射遮蔽性能は、「冷房期の平均日射熱取得率」(ηAC(イータエーシー)値)で示されます。入射する日射量に対する、室内に侵入する日射量の割合を、外皮全体で平均した値です。数値が小さいと省エネ性能が優れているといえます。



一次エネルギーの評価対象設備



省エネ法では、住宅の冷暖房や照明などに使用したエネルギーを一次エネルギーとし、評価します。下記の機器の設備が評価対象になります。

 

・換気設備

・暖房設備

・冷房設備

・照明設備

・給湯設備

その他家電などの設備

 

住宅の省エネルギー性能を評価する基準は専門的な部分になり、新築住宅の快適さにも関わる部分です。ハウスメーカーや施工会社にもよく相談しましょう。

省エネ適判制度とは

省エネ適判制度とは、新築、増築の際に、国が定める省エネ基準に適合しているかを、設計内容により、判定機関が判定する制度です。確認申請をする時には「省エネ適合判定通知書」が必要。漏れの無いように念入りに確認しましょう。

省エネ住宅のメリットとデメリット

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国の制度にのっとった省エネ住宅には、快適性を含めたメリットがたくさんあります。でも、省エネ住宅にはデメリットもあります。デメリットを知った上で、対策をしながらプランニングをしていきましょう。


省エネ住宅のメリット

省エネ住宅のメリットのひとつはなんといっても消費電力量を減らせるので、化石燃料の消費や二酸化炭素排出量を抑制し、環境に配慮できます。消費電力量を減らすことで、光熱費も抑えることができ、家計にやさしいのもメリットに。

住宅の機能としてのメリットもいくつかあります。高断熱、高気密の住宅は、外気の影響を受けにくいので、空調を効かせすぎなくても快適な暮らしが可能です。そのため、ヒートショックのリスクも減らすことができるのも良い点。結露も起きにくいので、カビやシロアリのリスクも少なく、建築物の劣化を防ぎます。

省エネ住宅のデメリット


省エネ住宅の大きなデメリットは、費用がかかることです。高断熱、高気密にするには、コストが高くなる傾向に。新築を建てる価格は高くなりますが、住んでいく中で光熱費が抑えられるというメリットがあります。そのため、長い目でみると、費用がかかりにくいです。


省エネ住宅の種類

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省エネ住宅の種類は、ZEH住宅、LCCM住宅、長期優良住宅、認定低炭素住宅、スマートハウスがあげられます。ここからは、それぞれの省エネ住宅の概要を解説していきます。

ZEH(ゼッチ)住宅

ZEH住宅とは、ネット・ゼロ・エネルギーハウスの略、通称ゼッチ住宅と呼びます。省エネ性能を高めることで、一次エネルギー消費量を減らし、太陽光発電などの創エネルギー性能を高めた住宅のことです。住宅で使用する一次エネルギーの年間消費量がおおむねゼロにすることを目指す住まいとなります。

LCCM住宅

ZEH住宅のさらに先を行く最先端の住まいが、LCCM住宅です。ライフ・サイクル・カーボン・マイナスの略。LCCM住宅は、建築過程から住んでいる間、その住宅を解体、廃棄に至るまでトータルに見て、CO2の排出量をマイナスにします。ZEHと同様、一次エネルギーの年間消費量をおおむね0にする住まいですが、太陽光発電パネルの容量やUA値の決まりなど、厳しい条件となっています。


LCCM住宅は、高気密、高断熱、太陽光発電の活用と建物の長期寿命化も不可欠となります。

長期優良住宅

長期優良住宅は、国が定めた「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」の基準をクリアした住宅のことです。(国土交通省ホームページより


長く安心して快適に住める家であることが基本であり、古い家を取り壊すときに発生する廃棄物の量を抑えることで、環境に配慮した住宅となっています。


認定低炭素住宅


認定低炭素住宅とは、今後のために、二酸化炭素の排出を減らすための対策をとった環境にやさしい住宅のこと。省エネに特化した住宅です。「都市の低炭素化の促進に関する法律」(エコまち法)に基づき、「低炭素建築物認定制度」があり、審査により認定されると都道県や市町村から優遇措置を受けることができます。


スマートハウス




使用している電気量の見える化を実現できるHEMSというシステムを取り入れコントロールし、消費エネルギーを最適化することを目指した住宅をスマートハウスといいます。創エネ、蓄エネ、省エネの運用で、消費エネルギーをシステムで管理して、エネルギー消費の無駄を見つけ対策できるのです。環境に配慮し、光熱費削減につなげることができます。


断熱性機密性能が高い住宅の施工事例

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自然素材をフルに活用した住宅を実現された施工事例です。室内は、床だけではなく、柱や梁も見え、天然素材の木のぬくもりを大いに楽しめます。小上がりスペースを設けて、お子様用や来客用スペースとして活用されています。吹き抜けを作り、自然の明るい光を取り入れられる工夫も。

 

デザインや設計力はもちろんのこと、健康で快適に生活できるような家づくりを意識した施工会社に依頼しました。住宅の断熱性や気密性などの重要性についても、丁寧に説明された上で計画しています。

 

夏は涼しく、冬は温かい快適な家が完成しました。毎月の冷暖房費も大幅に抑えることができています。

 

(富山市 株式会社すまいるほーむ 施工事例より)


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断熱性能は北海道基準Ua0.46をはるかに上回る0.34

夏は涼しく冬は暖かい、快適な平屋を体感しませんか?


 

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省エネ住宅は事前準備が必要


省エネ住宅にはさまざまな種類があり、快適に住む上でもメリットがあることがわかりました。未来に向けた人気のある住宅です。コスト面で購入に不安に感じる方もいるかもしれませんが、補助金を活用できるケースもあるので、検討してみるとよいですよ。補助の申請は、施工前に書類提出を行うものや申し込み期限の決められているものがほとんどです。そのため、早いうちから予定を立て、事前準備が必要です。

 

どのようにして省エネ住宅を実現したらよいのか分からない人も少なくないはず。インターネット検索で、施工店のサイトから施工事例や写真や口コミ、関連のお役立ちコラムを参考にするのもよいでしょう。無料の資料請求で詳細確認をしたり、自宅エリアのモデルハウスや見学会のイベントに行ってみたりするのもよいですよ。不明な点は、電話やメールなどで問合せをするなどさまざまな情報やアイデアを集めてください。省エネ住宅をプランニングするには、実績があり気軽に相談ができ、サポートをしてくれる住宅会社に依頼することが大切です。

 

ぜひこの記事を参考に省エネ住宅のプランニングをしていただけるとうれしいです。


【つくりなおすことのできない構造"にこだわった高気密・高断熱の家づくり】
【富山市・射水市・高岡市で叶える高性能なスマートハウス】

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