「小上がりのある家」ダイニング・リビングの実例やメリット住宅のチェックすべき注意点についても解説

ワンフロアにキッチン、ダイニング、リビングがあるとどうしてもシンプルな空間になりがちです。床から一段高い小上がりは、空間分けができて間取にメリハリができます。畳のあるモダンな和室の小上がりをつくったり、キッチンとダイニングを仕切ったり、ベッドルームを作るのもよいでしょう。小上がりは、扉やカーテンで仕切ることなく自然な空間分けができるので部屋が広く見え、圧迫感もありません。

とにかくおしゃれな空間をつくれるのも小上がりのメリット。自然素材の木を使ったナチュラルなカフェ風小上がりやモノトーン和風テイストのスペースなど、こだわりの内装を考えることができます。自分の理想の空間をつくれるのも小上がりの人気の理由です。

小上がりは床より一段高い空間なので、高さのある部分に引き出しや床下収納をつくれるのもメリット。小上がりの下の収納ならば、家具を置くよりもすっきりと部屋が広く見えます。子どものおもちゃや掃除用具など入れる収納を決めてしまえば、引き出しの高さや奥行きも決まります。小上がりを作る際は生活動線やライフスタイルを考えながら計画を立てるとより便利になりますよ。

小上がりは、さまざまな目的で使えるのも良い点です。空間を仕切っているので、読書をしたり、DIYをしたりと趣味を楽しむ空間に利用できます。また、畳を敷いた和風の小上がりを設けるなら、子どものプレイルームやお昼寝にもとても便利。洗濯物をたたむことやアイロンがけや裁縫など家事をするスペースとしても有効活用できますよ。

掘りごたつは、冬は温まるこたつとして夏は座卓として使用できるので人気があります。小上がりがあれば、段差があるので掘りごたつも容易に設置できますよ。フラットな床だと、正座や足を曲げるのが辛い方もいるでしょう。掘りごたつなら、疲れずに座れるのもよいところ。使用しないときは、テーブルを外して蓋をすればフラットな空間になります。掘りごたつは家族が団らんできる空間づくりに一役買ってくれるはずです。

小上がりの段差の高さは、家族構成、使用用途、生活スタイルに合わせて決めましょう。小上がりの高さは、一般的に20～40cmとされています。10cm以下の低い段差は収納ができず、つまずきやすいのでプランニングの際必要かどうか検討しましょう。収納ができて利用しやすい高さは30～35cmです。ダイニングテーブルと合わせて、小上がりをベンチシートにしたい場合は、高さは40cm程度がおすすめ。お子様がいる場合は、20～25cm程度の低い高さの小上がりが適していますが、成長すると使いづらくなることも。未来のライフスタイルも視野に入れた高さを見つけましょう。

キッチンやダイニングから見える場所に小上がりを設置すれば、家事をしながら子どもを見守ることができます。でも、いくら子どもを見ていられるとはいえ、段差があれば子どもが落下する可能性も。小上がりに、落下対策ができるかをチェックしましょう。落下防止の対策として、ベビーゲートをつけるのがおすすめ。ベビーゲートは、突っ張り棒タイプで壁や柱との間に設置します。そのため、小上がりはベビーゲートをつけられる設計にする必要があります。

スペースの狭いリビングやダイニングの間取りの場合、小上がりの設置場所や高さによっては圧迫感が出てしまうので注意が必要です。とくに、小上がりに壁や扉を作る場合は、狭く見えないかよく検討してプランニングしましょう。収納を考えて、高めに小上がりをつくりたいと考える方は少なくないと思いますが、角に足をぶつけてしまうなど生活動線にも支障をきたすことがあります。部屋の広さを考えて、小上がりの設置を計画してください。

新築に畳を取り付けた小上がりを設置する場合、一般的に坪単価プラス5～6万円が費用相場です。6畳の小上がりを作るとなると、30～36万円ほどの価格が上乗せされると考えると、費用がかかります。予算内に収まるかどうかを考え、本当に小上がりが必要であるかをチェックしましょう。