注文住宅の家づくりは、土地・建物・ローンと多くのことを同時に考えていく必要がありますので、各ステップの流れをしっかりと頭に入れておくことが大切です。
まずは大まかな流れについて解説します。
【家づくりの流れ①】住宅購入予算を決める
住宅を購入したら、長期にわたりローンを払い続けることになります。お子さんの教育資金などの心配もあり、毎月の返済額はどのくらいかを早めに知りたいという方もいらっしゃるでしょう。
銀行や住宅会社のホームページでは、住宅資金のシミュレーションを気軽に行えるサイトがありますので、ご利用をおすすめします。
また、工務店などの施工会社においても、資金計画について相談できます。
資金計画は家づくりにおいて、最も重要です。契約時になり、「想像していたよりも費用がかかった」ということのないよう、分からないところを残さず質問してみましょう。誠実に回答してくれる担当者ですと、今後の家づくりにおいてもきっと頼りになるパートナーになってくれるはずです。
【家づくりの流れ②】施工会社を選ぶ
「ハウスメーカーと工務店、どちらがいいの」という疑問は多くの方が持つと思います。
どちらにもメリット・デメリットがあり、代表的なものをご紹介します。
| ハウスメーカー | 工務店 |
メリット | ・規模が大きく経営が安定 ・大手ならではの安心感がある | ・小規模なところが多く地域密着型 ・設計の自由度が高い ・大手よりも割安な価格が実現できる |
デメリット | ・設計の自由度が低いことも ・価格が高くなりがち | ・経営が不安定なところも ・工期が長くなりがち |
施工会社によるアフターサービスの内容も確認しましょう。
新築住宅は、引き渡し後10年間は不具合等に対する保証があります。会社によっては、定期点検制度や20年間の保証制度など、独自のアフターサービスを備えているところもありますので、確認しましょう。
また、施工会社選びは、ご自身の家づくりと考えが合い、好感が持てる施工会社を選ぶことが大切です。
どの施工会社も独自の強みや特徴があります。
富山の工務店を例にすると、富山産の天然木を使用した家づくりを行うところ、高性能・高断熱住宅にこだわるところ、デザイン性の高い設計が得意なところなど、強みを活かした工務店はさまざまです。
まずはご家庭で理想の住宅イメージを決め、そのイメージが実現できそうな施工会社をいくつかリストアップしてみましょう。それから実際に会社を訪問するなどして、手応えを感じた1社に決めることをおすすめします。
いきなり住宅展示場に行ってしまうと、施工会社が多く集まっているので、効率よく情報収集ができるというメリットがありますが、「何を見たらいいのか、分からない」という状況に陥ってしまうこともあります。
住宅展示場で施工会社を探す際には、見学したい会社や気になる設備などを前もって調べておくと、有意義な時間を過ごすことができます。
【家づくりの流れ③】土地を探す
土地探しから始めるというお客様もいらっしゃるでしょう。
不動産の仲介会社に依頼することが一般的ですが、住みたいと思うエリアを歩いて探すという方法もあります。また希望の施工会社があるならば、土地探しを相談してみることをおすすめします。
建物は不具合があれば後からリフォームができますが、土地は簡単に変えることはできません。
土地は通勤や通学に便利かどうか、長く住み続けられる環境かなど、さまざまな場面を想像して慎重に決めることが大切です。
住宅建築に適切かどうかを調べる地盤調査が必要な場合もあります。
初めての土地探しは不安も多いかと思いますが、担当者と時間をかけて相談することが重要です。そのため、土地探しは、早めの行動が肝心です。
【家づくりの流れ④】間取り・設備などの住まいづくりを相談
家族で理想の住まい像をまとめてから、家づくりについて、施工会社に相談してみましょう。
新居の間取りや設備決めは、家づくりの楽しみのひとつであり、大きな醍醐味でもありま
す。頭の中にある理想の暮らしを全部書き出して言葉や絵にすることで、本当に望むものは何かが見えてくるはずです。
・アイランドキッチンにしたい
・木をふんだんに使いたい
・中庭がほしい
…etc
きっとたくさんの理想が頭の中に浮かんでいるでしょう。
ただ、今まで家づくりに関わったことのない方にとって、間取りを考えることはとても難しいことです。理想像が浮かんできたら、そのイメージに合う間取りをまず施工会社に提案してもらい、そこから要望に合わせて検討していくことをおすすめします。
新築注文住宅の建築は担当者との相性も重要です。「思いが伝わっている」、「気が合う担当者だな」と感じたら、打ち合わせなどが順調に進み、家づくりがスムーズに行えるでしょう。
また設備に関しては、キッチンや浴室、トイレなど各メーカーから、選りすぐりの製品がたくさん発売されています。ただ注文住宅ですと、建売住宅のように実物をまとめて目にすることができません。モデルハウスやショールームを活用して、実際の大きさや使い心地などを確認しましょう。
間取りや設備について計画がまとまってきたら、いよいよ仮見積もりをお願いしましょう。
その見積もりをもとに、予算との兼ね合いなど、さらに詳細な話合いを進めていき、本見積もり・住宅ローン事前審査などに進みます。
【家づくりの流れ⑤】施工会社との契約
住宅建築は大きなお金が動きますので、契約には慎重さが求められます。本見積もりに納得できたら、本契約(建築工事請負契約)へと進み、この段階で建築費の約10%の手付金が必要となります。
建築契約だけでなく、住宅ローン契約など、さまざまな契約が必要となるときです。提出が求められる書類や読むべき書類が多くなり、契約を簡単に変更しづらくなります。仕事の繁忙期などと重ならないよう、契約時期は、余裕があるときを選ぶことをおすすめします。
【家づくりの流れ⑥】着工から施工開始、引渡しまで
本契約を結びますと、いよいよ実際の工事が始まります。
敷地の整地から始まり、地鎮祭を行い、工事の安全を祈念します。その後、コンクリートを流し込む基礎工事が始まり、工事終了後に柱や梁など、大工をはじめ職人による骨組みや下地づくりになります。
その後、職人をねぎらう気持ちを込めお祝いをする上棟式が行われることになりますが、最近では行われないことも増えています。
基礎工事が完成すると、お風呂やキッチン、電気の配線などの内装工事が始まります。壁に断熱材を入れたり、クロスを貼ったり、少しずつ完成に近づいていきます。また外壁や屋根が完成すると足場が外れるので、建物全体の姿を見ることができます。
外構工事も同時進行で進められていますので、設備の設置が終わると引渡しまでもう少しです。
建物が完成すると、図面通りに建築されているかを行政がチェックする完了検査を受けなければいけません。さらにその後、施工会社が行う竣工検査があります。設計の仕様通りに建築されているか、設備に不具合がないかなどを逐一チェックします。検査項目に納得できたら、引き渡しの手続きへと進みます。